わきがの臭いを抑えるには

いっぽうのアポクリン腺はわきの下、乳首、陰部、耳の中などに分布し、脂質やタンパク質などを多く含む粘りけのある汗を分泌します。わきがの人はこのアポクリン腺が発達していてアポクリン腺から出る汗を菌が分解して、独特のニオイを発生させるのです。このニオイは本来、異性を引きよせるためのフェロモンの役割をしていたと考える人もいます。エクリン腺の汗もアポクリン腺の汗も、また、汗臭さやわきがのニオイの成分自体も水だけで落とせますので、わきの下もせっけんで洗う必要はありません。水でもせっけんでも、洗った直後はにおいませんし、さらに、細菌が繁殖してにおいだすまでの時間にもそれほど違いはありません。せっけんで洗ったからといって、においだすのが遅くなるとか、ニオイがやわらげられるといったことはないのです。わきがのニオイを抑えるには、漬け物の発色剤などとしても使われるミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)を使う方法があります。ドラッグストアやスーパーで安く売られています。
ミョウバンは水にとけると酸性になるため、細菌の繁殖を抑えるのです。結晶や粉を水に溶かしたものをつけるか、結晶を水につけてわきをこするなどして使ってみてください。

ところで、私は以前、わきがの治療法を研究していたことがあります。その方法というのは、まず、わきがの人のわきの下に抗菌剤をべっとりぬって何時間か放置し、ニオイの元となる菌を殺しておきます。そして、一時的にきれいになったわきの下に、わきがのない人のわきの下から採取した菌を培養して増やして、ぬりつけるのです。これを4~5回くりかえすと、わきがが治りました。完全には治らなかった人もいましたが、少なくとも、ニオイがやわらかくなりました。5人の方に治療をしたところで、研究費が続かなくなり、大変残念でしたが、研究を中断してしまいました。5人の方は、その2~3年後もニオイが気にならない状態だといっていました。しかし、その後ニオイが改善したままなのか、あるいは、少し復活したのかは、残念ながらわかりません。私は、いまでも、この治療方法が一般的になる日がくるだろうと考えていますし、もう一度研究したいと考えています。